「やきもの」紀行

萩　焼　の　歴　史

・「萩焼」は萩松本で焼かれていた松本焼きと、長門深川で焼かれていた深川焼きが明治以降、博　
　覧会に展示するにあたり、源流を同じくするこの二つが、「萩焼」と総称されるようになった。

• 萩焼の始まりは、文禄・慶長の役（１５９２年）に遡る。豊臣秀吉の命で朝鮮に派兵した毛利輝元は、帰国に際して、陶工、李勺光・李敬の兄弟を連れて帰った。当時はわび茶の隆盛とともに焼き物の評価が高まり、多くの大名が陶工を日本に連れ帰った。この役が『やきもの戦争』と呼ばれるゆえんである。
• その後、その後関ヶ原の戦いに敗れた毛利輝元の萩入府に伴い、二人の兄弟も萩に連れ帰った。
• 李敬は松本村中之倉に屋敷を与えられ、　ここに御用焼き物所・松本御用窯が出来る。これが松本焼きと呼ばれるゆえんである。その流れを汲む坂高麗左右衛門の窯は、今でもこの地にある。
• 一方、李勺光の孫が深川三之瀬（現在の長門市）に移り深川御用窯を始めた。
• 明治維新以降、御用窯としてのスポンサーを失ったが、そこで登場したのが萩焼中興の祖と呼ばれる板倉新右衛門である。表千家の茶道を学び、茶陶としての萩焼の格式を守りながら販路の拡大をはかった。１０代三輪休雪は萩焼の源流といえる高麗茶碗を研究し、雪のような釉調の「休雪白」と呼ばれる白萩釉を生み出した。

goto　　　「やきもの紀行ＩＮＤＥＸ」 　　　　　「歴史散歩道」ホームページ