人間「徳川慶喜」

徳川慶喜を語るとき必ず「最後の将軍」という言葉が登場する。当時、日本国のリーダーとして次の世代にバトンタッチするために、彼の演じた役割はすばらしい。それは、敗軍の将のあがきではない。江戸時代の幕引きのリーダーとして次の時代に繋いだのだ。今、時は２０世紀も終わりに近づき、次の２１世紀が幕開けしようとしている。ある意味からして、慶喜に学ぶべきところが多々ある。

• 水戸徳川家

　徳川家康の第１１子「頼房」が初代藩主。当初２５万石であったが３代綱條の時から３５万石となる。「紀伊」「尾張」を含めて御三家と呼ぶ。

御三家のうち「紀伊」・「尾張」は国名なのになぜ「水戸」は地名を？

水戸藩には参勤交代がなかった。定府として江戸に常駐した。必要なときだけ水戸に帰った。「天下の副将軍」と言われる由縁でもある。水戸といわれるのもそのためである。

　・父「徳川斉昭」

• 水戸藩９代藩主幼名虎三郎・啓三郎、おくりなは烈公

• 尊皇攘夷の総本山

• 子供が沢山いた。はじめのうちはキチンと名を付けたが５番目あたりから「五郎麿」「六郎麿」…廿二麿迄いった。子供の数総勢３７人・成人できたのは男１２人女６人の計１８人であった。

　・母「登美宮吉子」（とみのみやよしこ）

• 有栖川宮織人親王の王女に生まれる。斉昭の正室で、勤王派の斉昭は、京の宮家から室が降嫁すること喜んだ。吉子の子供で成人したのは慶篤と慶喜だけ。

　・幼名「七郎麿」　

　　・開国論者・公武合体論であった

　　・あくまでも果断の人であった。（優柔不断の人ではなかった）

　　・最後の将軍として、徳川幕府を新しい形で作り直し、存続させようとした人。その理想像を探し求めていた。自分こそ、その新しい形の将軍になれるという自負も持っていた。

• しかし、いかんせん徳川幕府の体制は古すぎた。人も組織もしきたりも…「新しい酒は新しい革袋に注ぐ」というが酒は古いだけではなく腐って酢になっていた。

• 徳川幕府が倒れる近道をつくったのは、筆頭老中・阿部正弘の「情報の公開と国民の国政参加奨励」にある。

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